RoomNo.0415

赤黒好きの管理人による赤黒のための妄想を吐き出すブログページです。日々のことも書いていきますが基本腐ってます。ブログアイコンは黒木紅華さまに描いていただきました!!ありがとうございます(´艸`*)

塗らせて頂いたりした(´艸`*)

 

今日は黒木さまに習った画像投稿の練習で、pixivの方で塗らせて頂いたやつを…!

成功しますように!(´艸`*)

 

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あとこれだけだとさみしいので一本投下!

 

赤黒♀

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【結婚予行練習】

 


「さ、気合入れていきますよ。」
「あぁ、大切な元チームメイトの結婚式だ。頼まれたからには最高の挙式にしてやりたいじゃないか。」
6月の第4日曜日である今日22日、黒子を連れてきたのはウェディング会社主催の企画。

今日ここで行われるのは、ドレスの試着や教会の下見。それから披露宴でできることなど、ありとあらゆる結婚式への体験。
今年の秋に控えた青峰と桃井の結婚。そして冬には結婚式を予定している彼らは現在アメリカ在住だ。
招待客の都合上、式は此方で挙げたいがどうにも帰国して準備をするだけの時間的余裕が無いと桃井が泣きついてきたのが先週のこと。
可愛い元チームメイトである桃井と青峰の頼みを断るなどハナっから頭に無い僕は二つ返事で了承した。
『必ず幸せな結婚式にしてみせる。』と。
そして協力を仰いだのが黒子だ。
どうしても僕は男だし、女性目線での考えができるとは思えなかった。しかし気配りもできて人の感情にも聡い黒子なら、桃井も満足できるような式の企画ができることだろう。

そして、黒子を呼んだ理由はもうひとつ。そしてこちらが大きかった。
企画のDM、「JuneBride」と銘打ったそのすぐ下に書かれた、カップル限定の文字。
要するにほとんどが結婚式の下見に来る夫婦もしくは婚約者同士対象だということだ。
だが、黒子と僕は長年の付き合いからお互いを熟知しているし彼女とならば何の問題もないだろうと判断した。
電話での誘いに即答した彼女もまた同じ考えだったのだろう。
「じゃ、行こうか黒子。」

 

 

 

 

そして通されたのは巨大な衣装部屋だった。
所狭しと並べられた煌びやかなドレスたちを前にして、周りのカップルたちはキャッキャと散ってゆく。
「なるほど…周りのフィッティングルームで試着できるんですね。」
「そうらしいな。黒子、着てみるか?」
近くのドレスを物色し、ほら。と掲げてみると憮然とした表情で返される。
「なんですか赤司くん嫌味ですか。ボクが来てみても桃井さんの代わりにはなりませんよ、身長的にも胸的にも。」
なるほどそうきたか。
思わずぶっと吹き出してしまい、黒子は更に目に見えて不機嫌になるが「もういいです。」と溜息を吐き、桃井のサイズを物色しだした。
別に桃井の代わりとしてではなく、似合うだろうと思ったのだが。

そして暫く色々なドレスに目を通してゆき、2人の手が止まったのは同じ一着のドレスの前だった。
それは大きく胸元が開いているものの下品でなく、ウエストには大きなレースリボンで括れがついている、純白の流れるようなAラインのドレス。

「…これ素敵です!」
「あぁ、背中が開いていないのも好ましいね。」

二人で手に取り頭の中で桃井とコラージュしていると「そちらお気に召しましたか?」と不意に後ろから声がかかる。
社員だろう男性の声に、死角から黒子に、恋人を装うぞ。と耳打ちすると目で了承を確認。

「はい。とても綺麗ですね。」
にこやかな笑みと共に振り向けば、いかにもな好青年といった風体の社員が箱を片手に立っていた。
「でしたらこちらへどうぞ。あ、ドレスお預かりします。」
黒子が抱えていたドレスをそつなく奪い、僕たちを案内しながら歩き出す。
そしてたどり着いたのは先ほど確認したフィッティングルーム。
片手の箱を開けて中からドレス用のローヒールパンプスをそっと並べると、少々お待ちを。と残して去っていく。


「…これはまさかのボク着なくちゃいけない感じですかね。」
「恐らくは。…派手な色の下着とかだと透けるけど?」
「ご安心ください。ボクは基本白です。」

凄くどうでもいい会話をしながら待つこと数分。そして戻ってきた彼が持っていたのはサイズの小さい先程のドレス。
思わず黒子と顔を見合わせ、やはり。と小さく溜息を付く。
しかし持ってきてくれた彼にも申し訳ないし、と黒子は笑顔で彼に感謝を告げてフィッティングルームへと姿を消した。

待っている間、先程の彼から次のプログラムを聞き思わず苦笑いを洩らす。
「ご試着されましたら、花嫁様がたはそのままで教会の方を見に行かれるようになります。」
「そうですか…。他の方々も一緒に?」
「いえ、今日の企画は10組限定ですので、各教会に1組ずつごゆっくりとご覧になれますよ。」
「…はぁ。」
この先に一抹の不安を抱きながら、今は黒子の帰りを待つとしよう。

 

 


 

 

そしてそれから15分余り。
フィッティングルームから小さく、着替え終わりました。という黒子の声が聞こえてドアが開く。

「……え、くろこ?」

思わずぽかんとしてしまった僕はいたって普通だと思う。
割と真面目に、天使か。と思ってしまったのもおかしくないだろう。

純白のドレスにかかるベビーブルーの長い髪。
初めて着るウェディングドレスに恥ずかしいのか目元を染める黒子は中々の破壊力を持っている。

「…黒子ですけど。赤司くん帰ってきてください。おーい。」
「…あぁ。うん天使?」
「あ。ダメですこれ。」

 

 


 

長い裾に注意しながら、黒子の片手をとって教会の下見へと移動する。
教会も中々の美しさで収容人数もざっと60人は入ることだろう。
祭壇を見に行ってもいいか。という黒子に了承を示し、腕を解く。
するすると裾を靡かせながら、真っ直ぐに僕から遠ざかって行く、黒子。

いつか桃井のように、黒子も嫁にゆくのだろう。
そして、今のように僕の手を解いて隣に立つ男のもとへ歩み寄りソイツだけのために微笑むのだろう。

「ーーー…っ…。」

いくな。と声を出しそうになった。
何故。
いつまでも保護者気分でいるわけにもいかないのに。
そして実際に黒子が嫁に行くとしても、喜んで送り出すのが友人としての勤めなのに。


そしてふと思い出したのは、青峰からの婚約報告の電話だった。
『なんかさ、さつきはいつでも俺の傍にいるもんだと思ってたけど別に俺のモンなわけじゃねぇんだよなぁ。って思ってさ。でも他のヤツに渡すとかねーわって思って。』
あの時は、全く馬鹿な奴だと思ったはずだったのに。
馬鹿は僕もか…。
本当に馬鹿だ。気づいてしまえばこんなにも簡単。
隣にいるのは僕がいい。その手を取るのは、僕でいい。

祭壇へと辿り着いた黒子の背中に、早足で追いかける。
折角気づいた感情を伝えるならなんてお誂え向きなシチュエーションだろう。

僕の呼びかける声に君が振り向くまであと3秒。

 

僕の言葉に目を丸くしたあと、しょうがないですね。と微笑んでくれるまで、あとーーー…。

 

 


「桃井の次は、黒子が此処に立ってくれないか。…僕の、隣で。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪何時でも妄想可能な暴走機関車夏目がお送りいたします≫